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マフィア流の毒を持って、財閥の毒を制す。

ヴィンチェンツォ 빈센조

総合おすすめ度
★★★★★ ★★★★★ 4.1

「悪は悪で制す」という単純なテーマを、パク・ジェボム脚本の多層的なコメディとキム・ヒウォン監督の緊張感ある演出で傑作に仕上げた。ソン・ジュンギの演技的転換点として歴史に残る作品。弱点は1話82分×20話というボリュームと、中盤の中だるみ。悪役がなかなか倒れない展開に消耗感を感じる視聴者も一定数いる。

  • 胸キュン 7/10

    チャヨンへの感情が徐々に芽生える過程は丁寧だが、全体がアクション優先のため純粋なキュン展開は少なめ。

  • 笑い 8/10

    鳩との格闘、住人の珍キャラクター、映画パロディなど笑いの密度が高い。シリアスシーンとの落差でギャグが際立つ。

  • 癒やし 4/10

    流血・暴力シーンが多く、住人の死が繰り返される後半は精神的負荷が大きい。癒しを求める視聴者には向かない。

  • 感動 5/10

    親子愛・師弟愛は描かれるが、あくまでアクションとコメディの副産物。メインは爽快感であり感動路線ではない。

  • スリル 7/10

    バベルグループとの心理戦・法廷戦略は精緻。ただし後半は力押し展開が増え知的スリルより暴力的カタルシスに転移。

  • 痛快 9/10

    財閥の不正を「同じ悪で」やり返すカタルシス設計が完璧。最終話に向けての溜めと解放のリズムが本作最大の強み。

Streaming

Story

イタリアのマフィア組織「カサノファミリー」の顧問弁護士ヴィンチェンツォ・カサノは、組織内の裏切りにより故郷の韓国に帰国する。目的はソウルの雑居ビル「クムガプラザ」の地下に眠る大量の金塊だったが、ビルは巨大悪徳企業バベルグループによって不法に買収され、取り壊しの危機に瀕していた。個性豊かな入居者たちと奇妙なチームを組んだヴィンチェンツォは、法律では裁けない悪をマフィア流の手段で成敗すべく、巨大権力に真っ向から戦いを挑む。

Highlights

  • ダークヒーローの圧倒的な爽快感
    「悪は悪で制す」をテーマに、法律が機能しない財閥犯罪にマフィア流の報復で挑む展開がスカッとする。冷酷なヴィンチェンツォが時折見せる人間的な温かさとのギャップが視聴者を引き込む。
  • ブラックコメディと緊迫劇の共存
    クムガプラザの個性爆発な住人たちが生み出す笑いと、バベルグループとの命がけの駆け引きが同じ画面で展開する。「人が死んでるのに笑える」という独特の温度感がこの作品の最大の個性。
  • ソン・ジュンギの演技の新境地
    「太陽の末裔」の爽やかなイメージを完全封印し、冷酷かつコミカルなダークヒーローを演じ切った。鳩と格闘するコメディシーンも、スーツ姿でスタイリッシュに敵を倒すアクションも両方こなす幅の広さが圧巻。
  • チョン・ヨビン演じるチャヨンの強さ
    ヒロインのホン・チャヨンは守られるだけの存在ではなく、ヴィンチェンツォと対等に議論し行動する弁護士として描かれる。初期の強引な性格から成長する過程も見ごたえがある。
  • 豪華なクムガプラザの住人キャラ
    経歴を詐称している見栄っ張りのイタリアン料理人、ハサミを武器に戦う元ヤクザのクリーニング店主、秘密を抱える僧侶など、住人全員がひと癖もふた癖もある。彼らが徐々にヴィンチェンツォに感化されて変わっていく群像劇としての楽しみも豊富。

Features

魅力ポイント

  • ソン・ジュンギの魅力と爽快感が作品全体を通じて際立っている。悪役が正義とは異なる「悪」として立ち向かう展開は、視聴者に快感を提供し、クムガプラザの住人たちのチームワークも非常に印象的である。全20話という長さを感じさせない強力な引きが、視聴者を惹きつけ続ける要因となっている。
  • トリック」を彷彿とさせる緊張感と笑いの共存が絶妙な作品である。チョン・ヨビンが演じるチャヨンのキャラクターは特に印象的であり、彼女の演技は多くの視聴者に強い影響を与えている。
  • スタジオドラゴン、パク・ジェボム脚本、キム・ヒウォン監督という強力なチームが作品の魅力を引き出している。各話には映画やドラマへのオマージュが散りばめられており、視聴者はそれを探しながら楽しむことができる。特に、腹が立つ悪役の描写は巧みに表現されている。
  • ヴィンチェンツォは、単なる強さだけでなく、初めは金銭目的で行動していた主人公が仲間への情を育む過程が丁寧に描かれている。善悪の境界が曖昧な主人公に対する感情移入の仕方が新鮮であり、視聴者に「これが見たかった」と感じさせるドラマとなっている。

クセのあるポイント

  • 1話が約1時間半という長さで構成されており、全20話というボリューム感が特徴的である。序盤の3〜6話は伏線を設置する期間となっており、展開がゆっくりと進むため、視聴者が脱落しやすい側面もある。初回から「愛の不時着」のような強い引きを期待することは、期待外れになる可能性がある。
  • グロテスクなシーンが多く、暴力描写が目立つ作品であるため、特に苦手な方には不向きである。物語が進むにつれて流血シーンが増加し、視聴者にとっては「疲れる」と感じる場面も見受けられる。後半はダークなトーンが続き、気力を必要とする視聴体験となる傾向がある。
  • 中盤から後半にかけて、物語には「早くとどめを刺してくれ」という間延び感が漂う。悪役がしぶとく、何度も生き返る展開が続くことで、視聴者にはプリズンブレイク後半のような疲弊感が感じられる。

For You

  • ブラックコメディ×復讐劇が好きな人
  • 財閥・権力腐敗に胸が空く展開を求める人
  • ソン・ジュンギの演技の幅を再確認したい人
  • 「愛の不時着」ロスを経験した人
  • 群像劇として多彩なキャラクターを楽しみたい人

Cast

About

原題빈센조
ジャンルクライム、コメディ、サスペンス、ロマンス
話数20話
放送局tvN / Netflix
本国放送2021年2月20日 〜 2021年5月2日
日本配信本国と同時配信(2021年2月20日〜)
視聴率最高14.6%(最終回)/平均10.4%
監督・演出家キム・ヒウォン
脚本家パク・ジェボム
制作会社スタジオドラゴン
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